「ととのえる」という言葉は日常生活でもよく使いますが、漢字で表すと「整える」「調える」の2種類があります。
一般的には「整える」をよく使いますが、「調える」はどのようなときに使うのでしょうか。
意味に違いはあるのでしょうか。
この記事では、結構たくさんの意味がある整える・調えるの違いと使い分けをまとめました。
整えるの意味・使い方
「整える」は、「乱れがないようにすること・秩序づけること」です。
整理整頓とか整列という言葉を思い浮かべれば、イメージしやすいですね。
目に見えるものだけではなく、心や体の具合などにも使えるため、さまざまな場面で活用できます。
- 面接前に、服装や髪形をきちんと整える。
- 行進するときは、縦横の列を整えてください。
- 生活習慣を整えると、自律神経も整ってくる。
調えるの意味・使い方
「調える」には、「必要なものを用意すること」「ほど良く加減すること」「相談や交渉を成立させること」といった意味があります。
たしかに「整える」を使うには違和感のある意味ばかりですね。
調達、調節、調和などに置き換えるとしっくりきます。
- 新生活に向け、家具家電を調える。
- 塩・胡椒で味を調える。
- 合併協議が調った。
整える・調えるの違いは?
「整える」は、「乱れがないようにすること・秩序づけること」です。
「調える」は、「必要品をそろえる・ほど良く加減する・交渉などを成立させる」ことです。
いずれも常用漢字ですが、「調える」は他の言葉に言い換えたほうがわかりやすいケースが多いため、あまり使われないようです。
例えば、「味を調える」よりも「味付けをする」のほうがわかりやすいですし、子どもや日本語に不慣れな人にも伝わりやすいです。
では、「身支度をととのえる」「体をととのえる」は、どちらを使うべきなのでしょうか。
「身支度」は「身なり」という意味ですから、用意したり加減したりするものではありません。
したがって、「身支度」は「整える」ものといえます。
「体をととのえる」は、「体調」という言葉があるため迷ってしまいますが、やはり用意したり加減したりするものではありません。
こちらも「整える」を使うべきでしょう。
体については、「整体」「整形」「整腸」などという言葉を思い浮かべるといいかもしれません。
まとめ
- 整えるは、乱れがないようにすること・きちんと秩序付けること。
- 調えるは、用意すること・加減すること・交渉などを成立させること。
少しややこしいですが、「整える=きちんとする」「調える=うまくまとめる・用意する」と覚えておけば、間違えにくくなります。