「親切丁寧」と「懇切丁寧」。
どちらも似た意味を持つ四字熟語のように思えますよね。
しかし、実は二つのうち一つは四字熟語ではありません。
それどころか、使ってしまうと「誤用だ」と思われてしまうこともあるのです。
さて、どちらが正しい四字熟語なのでしょうか。
この記事では、フォーマルな場面では意識して使い分けたい「親切丁寧」と「懇切丁寧」の違いと意味・使い方について解説します。
親切丁寧とは?意味と使い方
親切丁寧の「親切」とは、「相手の身になって思いやり、つくすこと」です。
そして「丁寧」とは、「細かな部分にまで注意や気遣いが行き届いていること」をいいます。
つまり、「親切丁寧」とは「細かな点まで思いやり、相手につくすこと」という意味です。
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懇切丁寧とは?意味と使い方
懇切丁寧の「懇切」とは、「細かな点まで心が行き届いて、親切なこと」です。
「懇切」と「丁寧」はほぼ同じ意味なので、両者を組み合わせた「懇切丁寧」は「細かな点まで真心がこもっていて、とても親切なこと」という意味になります。
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親切丁寧と懇切丁寧の違い
「親切丁寧」は「細かな点まで思いやり、相手につくすこと」で、「懇切丁寧」は「細かな点まで真心がこもっていて、とても親切なこと」です。
意味はほとんど同じですが、「親切丁寧」は四字熟語ではありません。
商店などで使われていた「親切・丁寧」というキャッチコピーが、いつの間にか「・」がなくなり、四字熟語のように扱われるようになったといわれています。
辞書に載っていないこともあるため、「親切丁寧を使うのは誤り」と考える人もいるようです。
一方、「懇切丁寧」は四字熟語で、辞書にも載っています。
日常的な場面からビジネスシーンまで幅広く使われる言葉ですが、敬語ではないため、上司や取引先などに使う場合は+αで敬語表現を加えるとよいでしょう。
懇切丁寧なご対応を感謝いたします。
まとめ
- 「親切丁寧」は、細かな点まで思いやり、相手につくすこと。
- 「懇切丁寧」は、細かな点まで真心がこもっていて、とても親切なこと。
「親切丁寧」はキャッチフレーズから派生したもので、「懇切丁寧」は四字熟語です。
フォーマルなシーンでは「懇切丁寧」を使うほうが無難ですが、日常生活ではどちらを使ってもよいでしょう。
ただ、「親切丁寧」は誤用だといわれることもあります。
そのため、迷ったら「懇切丁寧」を使うようにしましょう。