読み方が同じで使い分けが難しい言葉は、いろいろあります。
その中でも、結構ややこしいのが「機械」と「器械」です。
「きかい」という言葉は日常会話でもよく使うので、できれば違いを知っておきたいものです。
そこでこの記事では、「機械」と「器械」の違い、そしてよく似ている「機器」という言葉について解説します。
機械とは?
「機械」は、「動力で一定の動き・働きをするもの」です。
イメージとしては、「機械=スイッチを入れるだけで動く装置」という感じが近いでしょう。
機械は、一般的に大きくて技術的に複雑なものが多いといわれています。
しかし、一般家庭でも使われているロボット掃除機は、比較的小型ですが「機械」といってもいいかもしれません。
ちなみに、「機械的」という言葉は、「機械のように意思を持たず、決められた動きをする様子」という比喩表現として使われることがあります。
使い方によっては相手を不愉快にするケースもあるので、注意しましょう。
器械とは?
「器械」は、「実験や測定、運動などに使う装置や道具」です。
機械との大きな違いは、動力を持たないことで、人の力がなければ使うことができない点です。
また、単なる道具とは異なり、ある程度精密なものを指すことが多いです。
「器械」使う有名な言葉としては「器械体操」がありますが、これは跳び箱や平均台などの装置を使って行う運動という意味です。
機器とは?
「機器」は、機械や器械、器具の総称です。
電子機器・精密機器という感じで使われます。
なお、機と器が入れ替わった「器機」と表記されることもありますが、意味は同じです。
機械・器械・機器の違い
「機械」は、動力のスイッチを入れると勝手に動くものです。
「器械」は、実験・測定・運動などに使う装置で、動力のついていないものです。
器械は勝手に動かないので、人の力で何らかの操作が必要です。
両者の最も大きな違いは、動力の有無です。
端的にいうと、動力があれば「機械」、動力がなければ「器械」です。
「機器」は、機械・器械・器具などの総称です。
こちらは動力の有無は問いません。
まとめ
- 機械は、動力で一定の動き・働きをするもの。
- 器械は、実験・測定・運動などに使う装置。動力はついていない。
- 機器は、機械・器械・器具などの総称。
器械は人の操作が必要なので、比較的小さなものが多いです。
しかし、大きさが小さくても動力がついているものもあります。
「小さい=器械」ではないので、注意してくださいね。