敬語の使い方

ご多用・ご多忙・お忙しいところの違いと正しい使い方

ご多用 ご多忙 お忙しい

お客様と打ち合わせの約束を取り付けたい。
取引先に依頼したはずの商品がなかなか届かない。
自分のため、もしくは自社のため、相手方に時間を割いてもらわなくてはならない場合に

「ご多用とは存じますが」
「ご多忙の中恐れ入りますが」
「お忙しいところ、お越しいただき…」

これらの表現を用いますね。

これらに果たして違いはあるのか。
また、ケースによって使い分けが必要なのか。

「ご多用」「ご多忙」「お忙しいところ」の意味や例文をまとめてみました。

ご多用・ご多忙・お忙しいところの意味

  • ご多用(ごたよう)…用事が多い
  • ご多忙(ごたぼう)…とても忙しい
  • お忙しいところ…忙しくしている時

それぞれ、表す意味はほぼ同じですね。

違いや使い分けについては、例文を見ながら理解を深めていきましょう。

ご多用・ご多忙・お忙しいところの正しい使い方

ご多用とは存じますが、お手すきの際にご確認ください。
ご多用の中わざわざお越しいただき、誠にありがとうございます。

ご多忙のところ恐れ入りますが、〇日までのご連絡をお待ちしております。
ご多忙を極めていらっしゃる〇〇様とお会いでき、大変光栄です。

「ご多用」「ご多忙」は電話、メール、対面に関わりなく、「時間をくれてありがとう」という意味合いで用いるケースが
多いです。

お忙しいところ誠にご足労とは存じますが、〇〇にてお待ちしております。
お忙しいところお集りいただき、誠にありがとうございます。

「お忙しいところ」は電話もしくは対面の使用が多く、文中では柔らかな印象とさせたい場合に用いることが多い。

それぞれ大きな違いはなく、どれも「時間を割いてくれて助かるよ」というニュアンスの表現ですね。

家族や友達の間でも、「ごめんね」と「ありがとう」を忘れてはいけないように、日本人独特の表現とはいえ、忘れるわけにいかない言葉と言えますね。

ただし、ほぼ同じに見えるこれらも実は、「間違った使い方」があるため、事項で確認しましょう。

ご多用・ご多忙・お忙しいところの間違った使い方

「ご多忙」「お忙しいところ」の「忙」という漢字。

へんとつくりに分けると、「心(こころへん)」に「亡くす(なくす)」となりますね。

この「亡くす」は忌み言葉とされ、おめでたい場(結婚式など)では不適切なのです。

また、「忙しい」は「せわしい」とも捉えられるため、「ご多忙ですね」→「いつもバタバタしていますね」と受け止められる場合も少なからずあり、こちらには全くそんな意思はなくとも、皮肉のように感じる方も(少数ですが)いらっしゃるようです。

つまり、「ご多忙」「お忙しいところ」が不適切となるケースがあるため、最も無難な「ご多用」という言葉をビジネスワードとして使うことが多いです。

ご多用・ご多忙・お忙しいところをさらに丁寧に言うと?

「ご多用中とは存じますが」
「ご多忙の折に恐縮ではございますが」
「お忙しいところ恐れ入りますが」

これらの、へりくだった表現を合わせることでさらに丁寧な印象を与えられることでしょう。

ご多用・ご多忙・お忙しいところの類語・別の言い方は?

あまり耳に慣れない言葉ですが、「ご繁忙(はんぼう)」という類語があります。

使い方も「ご繁忙の折に」など、よく似ていますが、やはりこれも「亡くす」という忌み言葉が含まれていますので、ケースによって使えない場合があることと、相手方もビジネスマンであることが前提となるような表現ですね。

まとめ

まとめ
  • 「ご多用」「ご多忙」「お忙しいところ」は、意味に大きな違いはない。
  • これらは「時間を割いてくれてありがとう」を伝えるために使うクッション表現。
  • ただし、「ご多忙」「お忙しいところ」には不適切と捉えられるケースがあるため注意。ビジネスシーンでは「ご多用」が無難。

こちらのお願い事を聞いてもらうことや、誰かの予定に合わせて予定を組んでもらうことは、ビジネスの中では必ず出てくることです。

こういった時に、相手に感謝や労いの言葉をかけることは、その後の良好な関係のため、欠かせません。

多少繰り返してしまってもかまいません。
忘れてしまうことはないようにしましょう。