敬語の使い方

「いただく」という敬語の正しい使い方【間違いやすいので注意!】

いただく

「〇〇をいただく」、「〇〇させていただく」という敬語がありますが、この正しい使い方をご存知ですか?

身近な敬語なだけに間違って使ってしまっている人も多いので、この記事ではそんな「いただく」の正しい使い方を例文も合わせてご紹介させていただきます。

いただくの意味

「もらう」の謙譲語が「いただく」。

つまり、「先輩からお土産にフルーツをもらいました」は「フルーツをいただきました」となります。

転じて、「〇〇させてもらいます」がまるで「上から目線」のような印象のため、「〇〇させていただきます」と変化したと考えられます。

しかし、この表現が間違っていることに気が付かない場合が多くあるのです。

いただくの正しい使い方・例文

前述の例文のように、目上の方から「もらう」ことを「いただく」とすることで敬意を表すことができるため、

「高校時代の恩師から同窓会後にお手紙をいただきました。」

「私の作品のついて高い評価をいただくことができました。」

「もらった」ことが物質的(目に見える)でも抽象的でも、こういった表現で使用すると、自然な形かつ伝わりやすいものとなるでしょう。

しかし、生活の中であまりにも耳にするため、「~していただく」「○○いただきます」を使っておけば無難だろうと錯覚し、言葉の中で乱用してしまい、聞く側に「?」マークをもたらしていることがあるのもまた事実です。

例えば

「お電話ありがとうございます。○○部長ですね。実は本日、お休みをいただいておりまして…」

部長のお休みは、電話の相手が定めたものではないため、適した表現とは言えません。

「○○部長は本日公休でございまして…」
「○○部長は通常、水曜日に休みを取っておりまして…」

とするのが適切でしょう。

また、他によくある間違った例としては、

「昨日、ご提案をいただいた件につきまして、明日にはお返事させていただくよう社内的に進めております。」

「明日には」まではセーフとしても、「お返事」に「させて」「いただく」と敬語の三連発。(丁寧語と、読みにくい謙譲語の組み合わせ)
逆に伝わりにくいとされる「二重敬語」を、さらに超えていきましたね。

「明日中にお返事をするため」

で十分自然な表現といえるのです。

いただくの類語

「いただく」の類語を考える時、「もらう」の類語を思い浮かべることになりますね。

それは、「くださる」です。

なんだか堅苦しいですが、友達同士で「優しくしてあげてくれる?」とか、「同級生が次会う時に映画のチケットをくれる」という風にお話しをすることはよくあることです。

「もらう」は「いただく」
「くれる」は「くださる」

もらうことは、こちらが主となります。
くれることは、相手が決めることです。

「もう使わないからと、ほぼ新品のテーブルをもらった」
「もう使わないからと、ほぼ新品のテーブルをくれた」

同じ内容を、表現を変えて並べてみれば、イメージやすいですね。

それでは、どう違うのか。

「テーブルをいただいた」とすれば、こちらを低く置くことで、相手を敬うことになります。

「テーブルをくださった」とすれば、相手が目上の方であることがそのままわかります。

どちらを使っても誤りとは言えないため、類語と言えます。

まとめ

  • 「いただく」は「もらう」の謙譲語。
  • 目上の方から「もらう」ことを「いただく」に言い換えるのが正しい使い方。
  • 「いただく」を使う人の立場や二重敬語に注意。
  • 「いただく」の類語は「くださる」。

すでに各メディアなどで取り上げられている「~のほう」「~となります」という、「間違い敬語」については、平成最後に就活をした世代にも浸透したといえますが、「いただく」の使いどころは、使いやすく耳ざわりの良い表現であるだけに、陥りやすいと言えます。

しかし、相手に失礼にならないようにという思いが先行して頑張った結果、逆に「無知だな」と思われてしまうのはとても悔しいことでしょう。

また、「ビジネスマナーってそこまでこだわらないといけないの?!」と感じ、悩みにつながってしまうようでは、自分の持っているたくさんの能力を発揮できません。

それも、大きな悔いにつながってしまいます。

それでも、あなた自身、丁寧な説明ができる店員さんがいるお店が好きですよね。

仕事を愛するために、相手に好きになって「いただく」こと。

これが、「三年もたない」といわれるこれからのビジネス社会に求められることと言えるでしょう。