「あわせる」という言葉は、「合わせる」あるいは「併せる」と書くことができます。
たいていは「合わせる」で違和感なく通じますが、「併せる」はどのようなときに使うのでしょうか。
この記事では、結構ややこしい「合わせる」と「併せる」の違いについて調べました。
合わせるの意味・使い方
「合わせる」は、「くっつけたり追加したりすること・一致させたり調和させたりすること」です。
一つ目の意味は、合算・合計という言葉から想像できますね。
合掌も一つ目の例といえるでしょう。
二つ目の意味で使われている言葉には、合唱・合作などがあります。
- 右手と左手を合わせて「いただきます」を言いましょう。
- 電波時計は、時刻を合わせる手間がないので便利だ。
併せるの意味・使い方
「併せる」は、「二つ以上のものを一つにすること・並行してあつかうこと」という意味があります。
一つ目の意味は、「合わせる」とほとんど変わりがありません。
例としては、合併・併合など「合」と一緒に使われる言葉があります。
二つ目の意味は、併願・併走などをイメージすればわかりやすいでしょう。
- A社は、B社とC社を併せて誕生した会社だ。
- XプランとYプラン、併せてご検討ください。
合わせる・併せるの違い
「合わせる」は、「(もともとあるものに)くっつけたり追加したりすること・(基準となるものに)一致させたり調和させたりすること」です。
「併せる」は、「(いくつかある同等のものを)一つにまとめること・並行してあつかうこと」です。
「合わせる」は、メインとなるもの・基準となるものがあり、それに対して付加・フィットさせる意味で使われることが多いようです。
一方「併せる」は、メインとなるもの・基準となるものがなく、すべてをミックスする場合や独立性を保ちながら並行してあつかう場合に使われます。
そして、「タイミングをあわせる」「人にあわせる」という場合、「タイミング」や「人」という基準があるため、「合わせる」を使うのが正しいということになります。
まとめ
- 合わせるは、メインとなるもの・基準となるものに付加すること、フィットさせること。
- 併せるは、複数ある同等のものを一つにまとめること、並行にあつかうこと。
意味がわかっても、「合わせる」と「併せる」は使い分けに迷うことが少なくありません。
非常に大雑把ですが、「合わせる=totalあるいはfit」「併せる=mixあるいはside by side」と覚えておくと、間違えにくくなりますよ。
それでも迷う場合(例:手をあわせる、など)は、平仮名表記で逃げ切りましょう!