「戦略」と「戦術」。
ゲームや歴史小説だけではなく、ビジネスシーンでもよく使われる言葉です。
しかし、いざ使い分けようとすると思いのほか難しく、よく違いがわからないまま何となく使っている人も多いようです。
そこでこの記事では、わかってしまえば意外と簡単な「戦略」と「戦術」の違いと使い分けを解説します。
戦略の意味と使い方
「戦略」とは、「目的を達成するためのシナリオ」です。
ビジネスシーンでは、「企業が進むべき方向」あるいは「進むための方法」という意味でよく使われます。
「企業戦略」「経営戦略」といった言葉を思い浮かべれば、イメージしやすいですね。
ゲームなどでは、「戦略」=「勝つための計画」と言い換えたほうがわかりやすいかもしれません。
- 社長のビジネス戦略は素晴らしいが、わが社には実行するマンパワーがない。
- 彼は、戦略で致命的なミスを犯した。
戦術の意味と使い方
「戦術」とは、「目的達成のための手段」です。
さらにいうならば、「戦略を実現するための手段」です。
こちらは「戦う手段」というわけですね。
1つの戦略に対して、戦術が1つとは限りません。
複数の戦術のなかからどれを選ぶかによって、戦略が実現できるかどうかが決まってくるといえるでしょう。
- チームを構成するメンバーによって、得意な戦術が変わるのは当たり前だ。
- 敵の裏をかく戦術で、何とか勝利することができた。
戦略と戦術の違いは?
「戦略」は「目的を達成するためのシナリオ」あるいは「勝つための計画」で、進むべき方向を示すものです。
戦略に誤りがあると進むべき方向が変わってしまうので、「ゴールが見えているのにたどり着けない…。」ということになりかねません。
「戦術」は「目的を達成する手段」で、戦略を実現するためのものです。
ただし、戦略を実現するための戦術は一つとは限りません。
戦術が間違っていても、他の方法で挽回可能というケースはあるでしょう。
では、「戦略」と「戦術」、どちらを先に考えるべきなのでしょうか。
答えは「戦略」です。
たしかに、「戦略(進むべき方向)」が決まっていないのに、「戦術(達成手段)」ばかり考えても意味はありません。
ビジネスに行き詰まったら、必要なのは「戦略」なのか「戦術」なのかを検証してみるといいかもしれませんね。
まとめ
- 戦略は、目的を達成するためのシナリオで、進むべき方向を示すもの。
- 戦術は、戦略を達成するための手段。
少しややこしいですが、「戦略=(勝つための)計画」「戦術=(勝つための)手段」と覚えておけば、たいてい大丈夫です。