「抑える」と「押さえる」。
日常でもよく使う言葉ですよね。
しかし、漢字変換する時に「どっちが正しいのだろう?」と悩み、違いがよくわからないので平仮名でごまかしてしまう、という方も少なからずいると思います。
そこでこの記事では、間違いやすい「抑える」と「押さえる」の意味の違いと使い方を紹介します。
意外とわかりやすいので、これを機に是非覚えてくださいね。
抑えるの意味・使い方
抑えるには「物事の勢いを止める」「感情の高まりをセーブする」といった意味があります。
物理的におさえつけるのではなく、何らかの形で対象物をコントロール下に置こうとする、というニュアンスですね。
「抑圧」や「抑制」という言葉に置き換えるとわかりやすいかもしれません。
- 突然の訃報に、あふれる涙を抑えることができなかった。
- ゴジラの進撃を抑えるために、自衛隊に出動を要請した。
押さえるの意味・使い方
押さえるには、
- とらえる・つかむ
- 動かないようにする
- なくならないように自分のものにする
- 把握する
などたくさんの意味があります。
後ろ2つは、「手中に収める」という言葉に近いといえます。
- 子どもが自動ドアにはさまれないように、ドアを手で押さえていた。
- 大型連休中に人気リゾートホテルを押さえるためには、半年以上前から予約を入れなければならない。
抑える・押さえるの違いは?
「抑える」は、物事の勢いや感情の高まりをセーブすることです。
対象物をコントロール下に置くことを目的とする言葉ですが、コントロールがうまくいかないことも少なくありません。
一方で「押さえる」は、物理的に物をつかむ・静止するといった意味のほか、把握する・手中に収めるという意味もあります。
こちらは、対象物を物理的に完全なコントロール下に置く際に使う言葉ともいえます。
これらのことから、予約・ポイント・チケットを「おさえる」に当てはまる漢字は、何かを抑制することを意味する「抑える」ではなく、対象物を手中に収める・把握するという意味を持つ「押さえる」のほうが正しいということになります。
なお、お気づきの方も多いと思いますが、「抑える」の送り仮名は「える」で、「押さえる」の送り仮名は「さえる」です。
古い辞書では「押える」とされていることもありますが、平成22年以降の常用漢字表では「押さえる」が正しいとなっているので、間違えないように気をつけましょう。
まとめ
- 抑えるは、対象物の勢いや感情の高まりをコントロールすること。
- 押さえるは、物理的に物をつかんだり静止したりすること。対象物を自分のものにすること。
「おさえる」を「抑圧」「抑制」という言葉に置き換えることができる場合には、「抑える」を使いましょう。
それ以外の場合は「押さえる」で大丈夫です。