物事にあらかじめ備えることを、「準備」「用意」あるいは「支度」などと言いますが、どれも良く使う言葉なので、意識して使い分けている人は少ないと思います。
しかし、改めて違いを問われると、答えに詰まってしまうのではないでしょうか。
この記事では、備える範囲や時間に着目するとわかりやすい「準備」「用意」「支度」の違いと使い分けについてまとめました。
準備の意味・使い方
「準備」は、物をあらかじめそろえるというだけではなく、環境や態勢を整え、大まかな計画をすることまでを含みます。
また、「心の準備」「準備体操」など、物以外にも使うことがあります。
どちらかと長期的で、不測の事態に備えあらゆる物をそろえるのが「準備」ということになります。
- 旅行の準備は、面倒だけれど楽しい。
- 大学受験は、勉強だけではなく心の準備も大切だ。
- 準備体操をしっかりしておかないと、ケガをするよ。
用意の意味・使い方
「用意」は、すぐに使えるように物を取りそろえておくことです。
準備よりも用意のほうが期間が短く、そろえておく物も具体的になります。
「用意、ドン!」「用意します」という言い方を思い浮かべると、たしかに準備より差し迫った感じであることがわかります。
- 明日の旅行の用意をした。
- 「用意、ドン!」の「用意」の部分でスタートの姿勢をしておかないと、間に合わないよ。
- 身代金を用意しろ!
支度の意味・使い方
「支度」は、準備や用意より差し迫った状態で、具体的な行動にすぐさま移れるように備えることです。
口語的で、食事や服装など身の回りの「物」に対して使う場合がほとんどです。
- 身支度ができたら、旅行へ出発だ!
- 食事の支度をしたのに、「今日は外で食べてくる」と言われた。
準備・用意・支度の違いは?
準備・用意・支度の違いを、旅行する場合を例として考えてみましょう。
旅行を計画し、チケットなどを手配したり旅行用の服を購入したりするのは、「準備」です。
旅行の計画が定まり、スーツケースなどに荷物を詰め込むのは、「用意」です。
そして出発当日、身支度を整えたりするのが「支度」です。
厳密な使い分けは不要ですが、大雑把に分けるとこのような感じになります。
まとめ
- 準備は、物事を計画したり不測の事態に備えあらゆる物をそろえたりすること。物以外に使うこともある。
- 用意は、すぐに使えるように物を取りそろえておくこと。
- 支度は、具体的な行動にすぐに移れるように備えること。
時間や物をそろえる範囲は「準備>用意>支度」となりますが、「準備」は「用意」や「支度」と置き換えて使える場合が多いです。
迷ったら「準備」を使えばたいてい大丈夫ですが、言葉に違和感がある場合は適宜「用意」や「支度」を使うようにしてください。