「ひらく」と聞くと、多くの場合「開く」を思い浮かべると思いますが、「ひらく」には少し別の意味を持つ「拓く」という字もあります。
ところで、「開く」と「拓く」の違いは何なのでしょう。
この記事では、意外と使う機会の多い「開く」と「拓く」の違い・意味と使い分けについてまとめました。
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開くの意味・使い方
「開く」には、
- 閉じているものをあける
- 業務や行事などをスタートさせる
- わだかまりがなくなる
- 二者の隔たりが広がる
といった意味があります。
- 開かずの間の扉を開く。
- オリンピックは4年ごとに開かれる。
- 養親に心を開く。
- 両チームの点差が開く。
なお、「開く」は「ひらく」と読むだけではなく、「あく」「はだく」という読み方もできます。
「ひらく」と「あく」はほぼ同じ意味で使われますが、「はだく」は「はだける(手足を大きく広げる・目や口を大きくあける・襟元や裾をひらく・衣類が乱れてひらく)」の意味なので、ニュアンスが大きく異なります。
気をつけましょう。
拓くの意味・使い方
「拓く」には、
- 土地を開墾する
- 未知の分野に進む
- 今までなかったことを始める
という意味があります。
「開く」とは違って、ゼロからのスタートという感じですね。
- 石ころだらけの土地を拓く。
- 医療の新たな可能性を拓く。
- 自分自身の運命を切り拓く。
開く・拓くの違い
「開く」の対象物は目に見えるものとは限らないですが、未知のもの・今までないものではなく、すでにあるもの・物理的に存在しているものが対象です。
一方「拓く」は、今まで存在しなかったものや、物理的に存在していても大幅に手を加えなければならないものが対象です。
もう少し別の言い方で表現すると、
- 「開く」は「今まで閉じていたものをあけること」
- 「拓く」は「妨げとなるものを取り除いて前へ進むこと・次の段階へステップアップすること」
という感じになります。
まとめ
まとめ
- 開くは、今まで閉じていたものをあけること。開く対象物は、すでにあるもの・用意されているものであることが多い。
- 拓くは、障害を越えて前へ進むこと。今はないものを対象としたゼロからのスタート。
使われる頻度を考えると、だいたい「開く」で大丈夫と思われますが、開墾・開拓・開発といった言葉に置き換えることができる場合は「拓く」のほうがふさわしいことが多いです。
読みが同じなので会話の中で注意する必要はありませんが、文書にする場合はちょっとこだわってみましょう。
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