ビジネスシーンでも使われることが多い「適切」「適当」「適正」。
「適」という文字には「ふさわしい・あてはまる」という意味がありますが、そのあとに続く文字によって意味が微妙に異なってきます。
そこでこの記事では、似ているけれどテキトーに使ってはいけない適切・適当・適正の違いについて解説します。
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適切の意味・使い方
「適切」とは、「状況・場面・目的などに応じたふさわしいこと」です。
数値化された基準はないものの、社会常識などに照らし合わせてちょうどいいことに対して「適切」を使うことが多いようです。
- 適切なマナーを知らないと、恥をかくことがある。
- 日用品の買い占めは、適切な行為とはいいがたい。
適当の意味・使い方
「適当」には「いいかげん・でたらめ」という意味と、「ほどよいこと・ちょうどよいこと」という相反する意味があります。
日常会話では一つ目の意味で使われることが多いですが、ビジネスシーンでは二つ目の意味で使われることも少なくありません。
また、「適切」の意味と「適当」の二つ目の意味はよく似ていますが、「適当」の方が許容範囲が少し広い印象です。
- 彼は人当たりがいいが、仕事が適当すぎる。
- 我が家には、テレワークに使える適当なスペースがない。
適正の意味・使い方
「適正」は、「ちょうどよく、正しいこと」です。
何らかの基準があり、それに照らし合わせて正しいかどうかを判断する際に使います。
- たった一ヶ月で、使い捨てマスクの適正価格が10倍以上に跳ね上がった。
- ブラック企業に、仕事に対する適正な評価を求めることはできない。
適切・適当・適正の違いは?
「適切」「適当」「適正」のうち、もっとも許容範囲が広いのは「適当」です。
「適切」は明確な基準はないものの、「適当」より当てはまる範囲が狭くなります。
そして、「適正」は、何らかの基準との比較で判断されるので、使える範囲がより狭くなります。
ほかの言葉に置き換えると、
- 適当=おおむね大丈夫
- 適切=過不足なくふさわしい
- 適正=正しい
という感じになります。
こちらの方が、より一層違いが分かりますね。
まとめ
まとめ
- 適切は、社会常識に照らし合わせてふさわしいこと。ただし、数値化された明確な基準はない。
- 適当は、ほど良いこと。「いいかげん・でたらめ」という意味もある。
- 適正は、基準に照らし合わせて正しいこと。
何らかの基準がある場合は「適正」、それ以外は「適切」「適当」を使うことになりますが、「適当」は相手に誤解を与えるおそれがあります。
特に軽い言い方をすると「いいかげん・でたらめ」という意味にとられやすいので、注意しましょう。
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