「はかる」という言葉は、何を「はかる」のかによって当てはめるべき漢字が変わってきます。
しかし、発音としてはどれも同じであるため、「正しく使い分ける自信がない……」という方も多いことでしょう。
それでは、「図る」「測る」「計る」「量る」は、どのような場面で使うのが正しいのでしょうか。
それぞれの違いと使い分けを見ていきましょう。
図るの意味・使い方
「図る」は、「計画する、企てる、(目標達成のために)工夫する」という意味です。
「企図する」あるいは「意図する」と言い換えてもいいかもしれません。
また、「予測する」という意味もあり、「図らずも」という否定形をとる場合は「思いもよらず」という意味になります。
- 不況からの脱却を図る。
- 実験の失敗が、図らずも新たな発見へとつながった。
測るの意味・使い方
「測る」は、器具などを用いてものの長短や高低、大小などを知ることです。
「測定」や「測量」などをイメージすると、わかりやすいですね。
なお、測る際には道具以外のものを使っても構いません。
例えば、計算能力やIQなどを調べる際は道具などを使用しませんが、「測る」という言葉を使います。
- 毎年、誕生日に子どもの身長を測っている。
- IQを測る方法を知りたい。
計るの意味・使い方
「計る」は、時間を計測する場合や計算をする場合に使います。
「計画する」という意味でも使われますが、こちらは「図る」を使うのが一般的です。
また、「予測する」という意味もありますが、「計り知れない」という場合の「計」は「物事の程度を推察する」という意味になるため、何らかの意思が必要な「図」に置き換えることはできません。
- 子どもの昼寝時間を計ってみた。
- 戦争による経済への影響は、計り知れない。
量るの意味・使い方
「量る」は、重さや容積などを調べる際に使う言葉です。
英語の「volume(ボリューム)」にあたるもの、と考えればほかと区別しやすいでしょう。
また、「量る」には心の中を推し量るという意味もあります。
「推量」という言葉の意味そのものですね。
- 計量カップで、水を200mL量った。
- 彼女の本心を量りかねている。
図る・測る・計る・量るの違い
「図る」は、「企てること・企図すること・意図すること」です。
「工夫する」「予測する」という意味もあります。
「測る」は、「ものの長短や高低、大小などを知ること」です。
ただし、「ボリューム」にあたるものには原則として使いません。
「計る」は、「時間を計ること」「計算をすること」という意味で使われます。
「計画する」という意味もありますが、計画するという意味では「図る」を使うのが一般的です。
「予測する」という意味で使われることもありますが、こちらは「推察する」と同じような使い方をします。
「量る」は、「重さや容積を調べること」です。
おもにボリュームを調べる際に使われます。
「心の中を推し量る」という意味でも使われますが、こちらは「推量」に置き換えると間違えにくいでしょう。
それでは「体重をはかる」という場合は、どれを使うのが正しいのでしょうか。
体重は「重さ」なので、「量る」を使うのが正しいということになります。
「計量」という言葉がありますが、「計る」ではないので注意しましょう。
まとめ
- 「図る」は、たくらむこと・企図すること・意図すること。工夫する・予測するという意味もある。
- 「測る」は、ものの長短・高低・大小を知ること。
- 「計る」は、時間を計ること・計算すること。予測するという意味で使われることもある。
- 「量る」は、重さや体積をはかること。心の中を推し量るという意味もある。
何らかの意思が介在する場合は「図る」、ボリューム以外のものは「測る」、時間に関することは「計る」、ボリュームは「量る」です。
わからなくなったら、「企図」「測定」「時計(時を計る)」「重量」などと置き換えてみるといいかもしれませんね。