「うつす」という言葉をパソコンやスマートフォンで漢字変換すると、「写す」「映す」「移す」など、いろいろな文字が出てきますよね。
「移す」は「写す」や「映す」と使う場面が明らかに違うので迷うことは少ないと思いますが、「写す」と「映す」はどのように使い分ければいいのでしょうか?
この2つは読み方だけではなく意味も何となく似ているので、「よくわからない」という方もいらっしゃると思います。
そこでこの記事では、使い方がわかるとスッキリする「写す」と「映す」の違いについてまとめました。
写すの意味・使い方
写すは「文章や絵などを元と同じように書き取ること。まねること。」です。
複製をつくること・コピーをとることも「写す」ことといえます。
写したものは、何らかの形で後々まで残しておけることが特徴です。
- あの先生はものすごい早さで板書するので、内容をノートに写すのが大変だ。
- 久しぶりに家族写真を写した。
映すの意味・使い方
映すは「物の姿やかたちを、スクリーンや画面にあらわすこと。」です。
映し出されたものは複製やコピーとはいえず、そのままの形で残しておくこともできません。
- 雨が上がり、水たまりに虹が映っていた。
- 大画面に映し出される恐竜の映像は、ちょっと怖い。
写す・映すの違い
「写す」は、対象物を元と同じように書き写したりまねしたりすることです。
複製やコピーも「写す」ことといえますが、内容が全く同じである必要はありません。
なお、写しとったものは、紙や物として残しておくことができます。
一方で、「映す」はスクリーンや画面に対象物をあらわすことです。
映したものは、そのままの形で残しておくことはできません。
というわけで、タイトルにある鏡に「うつす」は「映す」が正しいということになります。
ちなみに、「映した」ものを「写す」ことはできます。
たとえば「テレビに映ったアイドルをビデオで写す」ことはできます。
まとめ
- 写すは、別のものに書き写したり、複製をつくったり、コピーしたりすること。写したものは、後々まで残しておくことができる。
- 映すは、画面などにあらわすこと。映したものを残しておくことはできない。
「写す」と「映す」の使い分けに迷ったら、うつしたものを「残せる」か「残せない」かで判断しましょう。
それでもわからなかったら、「コピーする」や「複製する」という言葉に置き換えてみましょう。
置き換えることができるのならば、「写す」で大丈夫ですよ。