「付ける」と「着ける」の使い分けがよくわからず、平仮名を使うという方も少なくないと思います。
これは、「付ける」と「着ける」を使う場面がよく似ている、という事情に加えて、「付着」というややこしい言葉があるのも理由の一つと考えられます。
そこでこの記事では、本当にややこしい「付ける」と「着ける」の違い・意味と使い分けについてまとめます。
付けるの意味・使い方
「付ける」は、「付加する・くっつける・離れないようにする・痕跡を残す」といった意味を持ちます。
密着度が高く、容易に取り除くことが難しい感じがしますね。
AにBを「付ける」と、BがAの一部になってしまうという感じもあります。
また、一つ目と二つ目の意味に関しては、「add」という英単語で表現できます。
- 利息を付ける。
- 冷蔵庫に大切なメモを付ける。
- 両面テープで張り付ける。
- 雪に足跡を付ける。
着けるの意味・使い方
「着ける」は、「着用する・達する・体のある部分を触れさせる・ある場所に位置させる」ことです。
「付ける」より密着度が低く、一時的な接触というニュアンスですね。
AにBを「着ける」という場合、BがAの一部になってしまうという感じはほとんどありません。
なお、こちらの一つ目の意味は「wear」で置き換えることができます。
- 婚約指輪を着ける。
- 車を門の前にピタリと着ける。
- 額を地面に着ける。
- 選手をスタートラインに着ける。
付ける・着けるの違い
「付ける」と「着ける」の大きな違いは、ついた物同士の密着度です。
- 密着度が高く、一体化するような場合・取り除くことが困難な場合は「付ける」
- そうでない場合は「着ける」
を使うのがよいでしょう。
そして、「身につける」という言葉にどちらの漢字を当てはめるべきかは、何を「身につける」のかによって変わってきます。
一体化して離れないもの、たとえば知識・教養・技術などの場合は「付ける」を使うべきでしょう。
一方で、簡単に離すことができるもの、たとえばアクセサリー類や衣類などは「着ける」を使うのが正しいといえます。
まとめ
- 付けるは、「付加する・くっつける・離れないようにする・痕跡を残す」こと。一度くっついたら、離れることは困難。
- 着けるは、「着用する・達する・体のある部分を触れさせる・ある場所に位置させる」こと。くっついても離れることは比較的簡単。
使い分けに悩んだら、密着度に着目しましょう。
とはいえ、どうにも判断できない場合もあるかもしれません。
その場合は平仮名で「つける」とし、誤った使い方を避けるのがベターです。