会社勤めの方にとって、「昇格」「昇進」「昇給」は大きな関心事ですよね。
どれもちょっとうれしい感じがありますが、それぞれの微妙な違いを理解して使い分けている人は意外に少ないかもしれません。
3つの言葉には、どのような違いがあるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
昇格とは?
「昇格」とは、「社内で定める職能資格制度に基づき、等級が上がること」です。
つまり、昇格は社内的な階級アップを示すものといえるでしょう。
昇格の基準は企業ごとに異なりますが、業績や試験などの結果、人事考課、推薦などで等級が決まることが多いようです。
ただ、条件をクリアすれば基本的に昇格は可能なので、要件を満たす全員が昇格、ということも理論的にはあり得ます。
昇進とは?
「昇進」とは、「企業における役職や地位、立場が上がること」です。
昇進すると役職が変わるため、社外の人からもはっきり認識されます。
昇進は、組織内のポジションに空きが出た場合や、新たな部署が設けられた場合にかなうことが多いようです。
ちなみに、昇格と昇進は必ずしも連動しません。
昇格して社内での等級がどれほど高くても、役職に空きがなければ昇進できませんし、昇進しても社内の職能資格制度の基準をクリアしなければ、等級が上がらないからです。
昇給とは?
「昇給」とは、「基本給が上がること」です。
昇給には、「ベースアップ」と「定期昇給」の2種類があります。
「ベースアップ」は従業員の基本給を一律で底上げすること、そして「定期昇給」は人事考課や勤続年数などに応じて基本給が上がることです。
なお、基本給に残業代やボーナスは含まれません。
純粋に、定期的に支払われる給与額がアップすることを「昇給」といいます。
昇格・昇進・昇給の違い
- 「昇格」は社内の等級が上がること
- 「昇進」は役職が上がること
- 「昇給」は基本給が上がること
です。
昇格は、社内の基準や条件をクリアすれば基本的にかなえられますが、昇進は役職に空きがなければどうにもなりません。
一方、昇給は昇格・昇進にともない実施されることもありますが、昇格・昇進がなくてもベースアップや定期昇給で基本給がアップすれば昇給されたことになります。
それでは、昇格と昇進はどちらが「上」なのでしょうか。
答えは「どちらでもない」というのが正解です。
そもそも、昇格は社内的な等級アップをあらわすもので、昇格しても役職がアップするとは限りません。
そして、昇進は役職が上がることを意味しますが、役職が上がることと社内的な等級が上がることは別問題です。
そのため、昇格と昇進を単純に比較することはできません。
まとめ
- 「昇格」は社内の等級が上がること。
- 「昇進」は役職が上がること。
- 「昇給」は基本給が上がること。
社内で高く評価されたい場合は「昇格」を目指しましょう。
役職を重視する場合は、「昇進」を目標にしてください。
しかし、確実な収入アップにつながるのは「昇給」です。
もっとも、昇格・昇進・昇給の条件は企業により異なります。
そして、昇格・昇進・昇給が連動しているとは限りません。
社内規定をしっかり見直してそれぞれの条件を知ることは、自分や家族のためにも必要なことかもしれませんね。