「勉強」と「学習」と「学び」、どれも同じ意味だと思っていませんか。
たしかに、この3つの言葉のニュアンスはそっくりです。
しかし、それぞれ使う場面をじっくり考えると、その違いが少しずつ見えてきます。
この記事では、似ているようで意外と異なる「勉強」「学習」「学び」の意味と違いをまとめました。
勉強の意味・使い方
「勉強」には、「物事を習い覚えること」という意味もありますが、「努力して困難に立ち向かうこと・気が進まないことをやること」という意味もあります。
つまり、「仕方ないからやる・与えられた課題をこなす」のが勉強です。
もちろん、楽しくできる勉強もあるでしょう。
しかし、どちらかというと受動的で、否応なくやらされるのが「勉強」といえます。
- 毎日、漢字の勉強をするように言われている。
- 志望校に受かるため、毎日10時間勉強している。
学習とは?
「学習」は、「学び習うこと」です。
「学び」については後ほどくわしく解説しますが、「真似ぶ(まねぶ)」がルーツといわれています。
一方、「習う」には「慣れる」という意味もあります。
このようなことから、「学習」とは「真似をして慣れること」と言い換えることができます。
- 自然界の動物は、どうやって餌をとることを学習するのだろう。
- どういうことをすれば叱られるのか、少しは学習しなさい!
学びとは?
「学び」は「能動的に教えを受けること」です。
繰り返しになりますが、「学び」のルーツは「真似ぶ」です。
つまり、手本やまわりがやっていることをまね、積極的に技術・知識を習得することが「学び」といえます。
- 子どもにとっては、学校だけではなく家庭も学びの場だ。
- 僕は、留学先で多くのことを学びました。
勉強・学習・学びの違い
「勉強」は、学問や専門的な知識を習得する際によく使われます。
ただ、どちらかというと受動的で、「ツラいことを我慢してやる」というイメージが付きまといます。
そして、「勉強」という言葉が使えるのは、人間だけです。
たしかに、ツラいことを我慢してまでやるのは、人間だけですよね。
「学習」は、真似をして慣れることです。
そして「学び」は、手本となるものを真似して知識や技術を習得することです。
どちらも能動的で、基本的に我慢することはありません。
もっとも、「学習」と「学び」には微妙な違いがあります。
「学習」は人間以外の動物にも使いますが、「学び」を人間以外に使うことはほとんどありません。
この理由は定かではありませんが、「学び」のほうがより能動的で、貪欲な知識欲が必要ということなのかもしれませんね。
まとめ
- 勉強は、学問や専門的な知識を習得するために、ツラくても頑張ること。人間にしか使えない。
- 学習は、真似をして慣れること。動物にも使える。
- 学びは、能動的に教えを受けること。人間以外に使うことはほとんどない。
子どもの「勉強」が「学習」や「学び」になるように、大人はもっと環境を整える必要があるのかもしれませんね。