くらしている場所・働いている場所などの規模や様子をあらわすときに、どのような言葉を使いますか。
いろいろな表現方法がありますが、「村」「町」「街」「都市」といった言葉を使うこともあると思います。
ところでこの4つの言葉、明確な定義や違いはあるのでしょうか。
使い分けは、どのようにするのが適切なのでしょうか。
この記事では、日常会話で何気なく使っている「村」「町」「街」「都市」の違いについて調べてみました。
村とは?
「村」は、地方公共団体の1つです。
定義はありませんが、町より人口が少なく、区画も小さめであることが多いようです。
日常会話では、いわゆる田舎や農業地帯を指すこともあります。
また、町内会の集まりを「村」と呼んだり、小中学校の通学団で「〇〇村」という呼称を使ったりするケースもあります。
「村八分」という言葉があるように、「村」は住民同士の強いつながりを表す言葉ともいえますね。
町とは?
「町」も、地方公共団体の一つです。
「町」になるためには、都道府県の条例に定められている条件をクリアしなければなりません。
ただし、一度「町」になると、人口が減少して条件を満たさなくなっても「町」のままです。
そのため、村より規模の小さな「町」もあるようです。
日常会話では、家が密集している地域を「町」と呼ぶこともあります。
これは、「町はずれ」という言葉を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
街とは?
「街」は、商店やビルなどが立ち並ぶにぎやかな通りのことです。
英語で表現すると“street”になります。
「商店街」「歓楽街」などが、まさに「街」といえるでしょう。
ちなみに、「街」を「まち」と読む場合はたいてい「町」と置き換えることができます(例:街角→町角、学生の街→学生の町、街で買い物をする→町で買い物をする)。
しかし、「町」は「街」に置き換えられない場合があります(町はずれ→街はずれ×、隣町→隣街×)。
都市とは?
「都市」は、大都市・中核市・特例市以外の市をいいます。
- 大都市は人口50万人以上の都市(横浜市、名古屋市、大阪市など)
- 中核市は人口30万人以上または50万人未満の場合は面積100平方キロメートル以上の都市(旭川市、横須賀市、静岡市、鹿児島市など)
- 特例市は人口20万人以上の都市で、当該都市からの申し出に基づき政令で指定された都市(函館市、茅ケ崎市、久留米市など)
です。
もっとも、日常会話ではこのような定義を意識することはほとんどありません。
人口が密集していて栄えているところは、「都市」とひとくくりで表現されます。
村・町・街・都市の違い
では、日常会話における「村」「町」「街」「都市」の違いをまとめてみましょう。
「村」は、田舎や農業地帯を指して使われることが多いです。
住民同士に強いつながりがある集団を指す場合もあります。
「町」は、家が密集しているエリアを指す言葉です。
「村」より人口密度は高めですが、「都市」より少ないのが特徴といえます。
「街」は、商業施設やビルなどが立ち並ぶにぎやかな通りのことです。
そこに住んでいる人の数は問題になりません。
街は、町や都市の一部分といえるかもしれません。
「都市」は、町以上に人口が密集していて栄えている場所です。
「都会」という意味で使われることもあります。
人口密度は、村<町<都市の順に高くなります。
街は村にもあるかもしれませんが、町や都市にあることが多いです。
まとめ
- 村は、田舎や農業地帯。住民同士のつながりが強い集団を指す場合にも使うことがある。
- 町は、家が密集している場所。
- 街は、商業施設やビルが立ち並ぶ通り。
- 都市は、人口が密集していて栄えている場所。都会の意味で使われることも多い。
村・町・都市では、コンビニエンスストアやドラッグストアの店舗数、駐車場の広さや課金の有無も違うようです。
地方に出かける際には、そういった点に着目してみるのも楽しいかもしれませんね。