何かをしたり、見聞きしたりすることを「経験」あるいは「体験」などと表現することがあります。
ところで、「経験」と「体験」は、意味に違いがあるのでしょうか。
どのように使い分けるのが正しいのでしょうか。
この記事では、非常によく似た意味を持つ「経験」と「体験」の意味の違いと使い分けについてまとめました。
経験の意味・使い方
「経験」は、「実際に、見聞きしたり行ったりすること。また、そうすることによって得られた知識やスキルのこと。」です。
たしかに、「経験値」とか「人生経験」という言葉を考えると、見聞きして行うだけではなく、得られた知識や技術の蓄積というニュアンスがあるため、納得できます。
- 戦争を経験していなくても、平和の大切さはわかるはずだ。
- 将来、管理職を目指すならば、いろいろな部署を経験しておくべきだ。
体験の意味・使い方
「体験」は、「実際に行動して体で感じること。または、行動そのもの。」です。
つまり体験は、行動で得られる知識やスキルよりも、行動自体に重点が置かれることになります。
行動そのものを重視するため、継続性は必ずしも必要ありません。
例えば、「体験入学」「体験レッスン」など、1回で完結するものをイメージすると、よくわかります。
- 心霊体験をするために、廃墟を訪れてみた。
- 一度でいいから、スカイダイビングを体験してみたい。
経験と体験の違いは?
「経験」も「体験」も、見聞きしたり行動したりすることですが、「経験」は結果として得られる知識やスキルに重点が置かれ、「体験」は行動そのものに重点が置かれます。
そのため、「経験」はどちらかというと一般的・客観的な意味で使われ、「体験」は個別的・主観的な意味で使われることが多いです。
また、「経験」は知識やスキルを得られるくらい反復・継続することが求められますが、「体験」は1回だけの行動であってもかまいません。
まとめ
- 経験は、見聞きしたり行動したりすること。また、それにより得られる知識やスキル。一般的・客観的な意味で使われることが多い。
- 体験は、実際に行動して体で感じること。または行動そのもの。個別的・主観的な意味で使われることが多い。
使い分けのポイントは、どこに重点があるかという点です。
知識やスキルを重視する場合は「経験」、行動そのものを重視する場合は「体験」を使いましょう。
迷う場合は、知識やスキルを得られる行動かどうかを考えると、すんなり使い分けられますよ。