トラブルを上手く収めることを、「解消」あるいは「解決」ということがあります。
どちらもその場の流れで何となく使ってしまいがちな言葉ですが、実は微妙な違いがあるのです。
そこでこの記事では、普段あまり意識しない「解消」と「解決」の違いを調べてみました。
解消の意味・使い方
「解消」とは、「今まであった状態や関係、約束などをないものとすること」です。
やっかいごとなどをリセットするという感じですね。
マイナスをゼロにする感じにも似ています。
- 足のむくみを解消するために、マッサージをしてみた。
- 赤字解消のために始めた副業が、本業になってしまった。
解決の意味・使い方
「解決」は、「ごたごたを上手く処理すること・納得いくようにすること」です。
やっかいごとに決着をつけるというイメージですね。
マイナスを、最終的にプラスに持っていくニュアンスもあります。
- 迷宮入りと思われた難事件が、時効寸前に解決した。
- ワクチン接種で、感染症の問題がすべて解決できるわけではない。
解消と解決の違いは?
解消と解決は、たどり着く結果が異なります。
「解消」は、問題をリセットして何もなかったことにします。
「解決」は、問題を丸く収めて納得がいくようにします。
別の見方をすれば、問題から逃げるのが「解消」、問題を受け止めて良い方向に導くのが「解決」と考えることもできます。
では、表題にある「問題解消」と「問題解決」は、どちらが正しいのでしょうか。
そもそも、解消と解決はゴールが違います。
そのため、どちらの使い方もアリということになります。
つまり、問題自体をなかったことにするならば「問題解消」を使い、問題を上手く処理してより良い方向に持っていくならば「問題解決」を使えばいいのです。
ただし、「問題解消」「問題解決」のように「解消」「解決」が両方使える例は、それほど多くありません。
例えば「婚約解消」ということはあっても、「婚約解決」ということはありません。
また「未解決事件」ということはあっても、「未解消事件」とは言いません。
間違えることは少ないと思いますが、念のため理解しておきましょう。
まとめ
- 解消は、今までの状態や関係、約束などをリセットすること。
- 解決は、ごたごたや厄介ごとに決着をつけること。
日本人の多くは意識せずに両者を使い分けていますが、日本語を母国語としない人にとって「解消」と「解決」は区別が難しいと言われます。
もし、外国の方に聞かれたら「消」と「決」に着目し、漢字の意味から教えてあげるとわかりやすいかもしれませんね。