「いたむ」と入力して漢字変換すると、「痛む」「傷む」「悼む」といった文字が候補として表示されます。
何となく違いは分かるものの、はっきりとした違いを習う機会はほとんどないので、誤って使用をしていることもあるかもしれません。
そこでこの記事では、ややこしい「痛む」「傷む」「悼む」の違いについて調べてみました。
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痛むの意味・使い方
「痛む」は「肉体的に苦痛を感じること・精神的なダメージを受けること」です。
肉体に苦痛を感じると思わず「痛い!」と声を上げてしまいますが、これがまさに「痛む」場合といえます。
- 天気が悪くなると、以前骨折した部分が痛むことがある。
- 予定外の出費で、ふところが痛む(出費が精神的ダメージとなっているため、「痛む」でOK)。
傷むの意味・使い方
「傷む」は「物にキズがつく・腐る・破損する」という意味です。
元の状態より悪くなることをいい、人に使うことはほとんどありません。
- 机を引きずったら、床が傷んでしまった。
- 梅雨時は、食べ物が傷みやすい。
- 白アリのせいで、家の土台が傷んだ。
悼むの意味・使い方
「悼む」は、「人の死を嘆き悲しむこと」です。
人の死が前提となっているので、「痛む」や「傷む」との使い分けは、比較的容易です。
- 思い出の場所で、友人の死を悼む。
痛む・傷む・悼むの違いは?
「痛む」や「悼む」は人に対して使う言葉ですが、「痛む」は肉体的・精神的な苦痛を感じた場合に使います。
一方、「悼む」は人がなくなった場合にのみ使います。
また、「痛む」は肉体的・精神的苦痛を表す言葉ですが、物理的にキズがつくことは求められていません。
他方、「傷む」は物に対して使う言葉で、物の状態が以前より悪くなったときに使います。
対象物が物なので「痛い!」と叫ぶことはありませんが、物理的ダメージは必須です。
髪が「いたむ」の漢字は?
ちなみに「髪がいたむ」という場合、髪は人ではないので「痛む」は基本的に使いません。
また、人が亡くなるわけでもないので、「悼む」も使いません。
髪という物がダメージを受けるだけなので、「髪がいたむ」=「髪が傷む」とするのが適切でしょう。
まとめ
まとめ
- 痛むは、肉体的・精神的な苦痛を感じる場合に使う。物理的にキズがつくことは必要ではない。
- 傷むは、物の状態が以前より悪くなる場合に使う。物理的なダメージは必須。
- 悼むは、人の死を嘆き悲しむこと。
間違えやすいのは「痛む」と「傷む」ですが、「いたむ」のが人か物かで判断すれば、間違えにくいですよ。
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