「色々(いろいろ)」も「様々(さまざま)」も、多種多様な物や事がたくさんある状態を指すときによく使われる言葉です。
しかし、「色々」と「様々」を入れ替えて使うと違和感が生じる場合もあるため、できれば正確に意味や使い分けを知っておきたいですよね。
そこでこの記事では、似ているようで微妙に違う「色々」と「様々」の違いと使い分けについてまとめました。
色々(いろいろ)の意味・使い方
「色々」とは、「ある種類の物が数多くそろっていること」です。
物の種類ではなく、数に重点が置かれている場合に使う言葉といえます。
例えば、大手の家電量販店ではたくさんのテレビが販売されていますが、メーカーや画面の大きさ、機能ではなく、販売されているテレビの数に重点が置かれている場合、「あの店には色々なテレビがある」という表現になります。
様々(さまざま)の意味・使い方
「様々」とは、「様子の異なる物が数多くそろっていること」です。
こちらは、物の種類が豊富にそろっている場合に使われる言葉です。
先ほどの家電量販店の例で、取り扱いメーカーやテレビ画面の大きさ、機能の違いなどに重点が置かれると、「あの店には様々なテレビがある」という言い方になります。
ただし、「様々」は「色々」に置き換えても意味が通じることが多く、「あの店には色々なテレビがある」=「テレビの種類が豊富にそろっている」という意味で使うことも可能です。
色々(いろいろ)・様々(さまざま)の違いは?
色々は、数の豊富さを表現する言葉です。
一方、様々は種類の豊富さを表現する言葉です。
ただし、日常生活で両者が区別されることは少なく、口語的な表現である「色々」の方がよく使われます。
そして「様々」は少し文語的で堅苦しいため、話し言葉ではあまり使われません。
また、「様々」を「色々」に置き換えてもたいてい問題はありませんが、「色々」を「様々」に置き換えると違和感を覚えることがあります。
例えば、「色々お世話になりました」と言うことはあっても、「様々お世話になりました」と言うことはありません。
これは、「色々」の方がより口語的で、幅広い意味で使われていることが理由の一つと考えられます。
まとめ
- 色々は、ある種類の物が数多くそろっていること。物の種類ではなく数を重視。
- 様々は、様子の異なる物が数多くそろっていること。物の種類が豊富なことを重視。
迷ったら「色々」を使うのが無難ですが、くだけた表現になりがちです。
ビジネスシーンでは、状況に応じて「様々」を使うとスマートな印象になりますよ。