「あける」という言葉は、日常的にもよく使いますし、使い方に困ることもあまりないと思います。
しかし、「あける」は「明ける」「開ける」「空ける」などいろいろな漢字に変換できるため、使い方を間違えると違和感のある文章になってしまうことがあります。
それでは、「明ける」「開ける」「空ける」はどのように使い分ければ良いのでしょうか。
漢字の意味から正しい使い方を探っていきましょう。
明けるの意味・使い方
「明ける」は「明るくなる」という意味です。
また、朝日が昇って夜が終わることを「夜明け」
ということから、「何かが終わること」という意味で使われることもあります。
- 南極では、冬になると夜が明けない日が続く。
- 混雑を避けるために、連休が明けてから帰省した。
開けるの意味・使い方
「開ける」は、「ひらく」という意味です。
もう少し具体的にいうと、「隔てているもの・仕切りになっているものを取り除く」という意味で、「営業する」という意味もあります。
「開ける」=「open」と考えればわかりやすいですね。
- 教室の扉を開けたら、黒板消しが落ちてきた。
- 病院の診察時間に合わせて、午前8時には薬局を開けなければならない。
空けるの意味・使い方
「空ける」は、「空にする」「中身をなくす」という意味で使われます。
「開ける」の対象が扉などの物理的なものであるのに対して、「空ける」の対象はスペースやスケジュール、地位など抽象的なものです。
ただし、「空ける」は「明ける」と書いても間違いではないとのこと。
このあたりが、使い分けを複雑にしているのかもしれませんね。
- 毎年、クリスマスはスケジュールを空けているが、だれからも誘われない。
- 教授のポストが空いたが、適任者がいない。
明ける・開ける・空けるの違い
- 「明ける」は「明るくなること・終わること」
- 「開ける」は「ひらくこと・営業すること」
- 「空ける」は「空にすること・中身をなくすこと」
です。
特に、「開ける」は物理的に物を取り除いたり動かしたりするときに使います。
対して「空ける」は抽象的な物事に対して使うため、使い分けに注意しなければなりません。
では、時間・部屋を「あける」という場合は、どれを使うのが正しいのでしょうか。
意味を考えると、「空ける」を使うのが正しいということになります。
しかし、「空ける」は「明ける」と書いても間違いではありません。
したがって、答えは「空ける」「明ける」のいずれかであれば正しいということになります。
まとめ
- 「明ける」は、明るくなること。何かが終わること。
- 「開ける」は、物理的に物を取り除くこと。営業すること。
- 「空ける」は、空にすること。中身をなくすこと。
対象物が物理的なものの場合は、「開ける」を使う必要があります。
対象物が抽象的な事柄である場合は、「空ける」「明ける」いずれでも構いません。
迷ったら、対象物の性質を考えて使い分けるようにしましょう。