披露宴終盤の挨拶で新郎が
「未熟者ではございますが、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。」
と言ったりしますね。
「ご指導ご鞭撻のほど」という言葉はビジネスシーンやかしこまった場でよく使われますが、意味や正しい使い方を答えられる人は少ないと思います。
この記事ではそんな「ご指導ご鞭撻のほど」についてまとめてみました。
ご指導ご鞭撻のほどの意味
「ご指導ご鞭撻のほど」を細かく分ると、
指導 → 指で示して導くこと。
鞭撻 → 鞭(むち)で打って励ますこと。
~のほど → おおよそ(だいたい・適度)。はっきりとした断定を避ける言葉。
つまり「適した時に、指で示して導き、鞭で打って励ましてね。」という意味になります。
もちろん、実際に鞭で打つわけではないので、「厳しくご指導お願いします」ということですね。
ご指導ご鞭撻のほどの正しい使い方
お世話になったこと、相手から学ぶことが多かったこと、そしてこれからも同じように関わっていきたい、という気持ちを表します。
堅苦しい言葉ですが、述べる相手は学校の恩師、会社の上司、親族など幅広く、目上の方に対して「自分はあなたから学びたいと思っています」という姿勢を示す表現です。
- 人生の節目となるような大きな出来事の際、近しい存在に。
- 損失につながりかねない大きな失敗を温かい目でフォローしてくれた上司や取引先に。
気持ちの面でも姿勢を正して伝えましょう。
メールでも、挨拶の場でも、締めの言葉として用いられることがほとんどです。
結婚式の招待状の文面では「御指導御鞭撻」とすべて漢字を用いる場合も残存するようですが、「ご」を平仮名で表記しても失礼とはなりません。
ご指導ご鞭撻のほどの間違った使い方
同じ相手に何度も述べてしまうと、本当に伝えたい気持ちが薄くなってしまうでしょう。
ことあるごとに「今後もご指導ご鞭撻のほどを……」なんて口にしていたら、本当にここぞという時に使う言葉が見当たらなくなってしまいます。
友達相手でも、「一生のお願いだから」と連発してしまうと、聞いてもらえなくなりますよね。
また、会おうと思えば会える相手に電話で伝えるのは、礼儀が足りないと受け止められるかもしれません。
ご指導ご鞭撻のほどをさらに丁寧に言うと?
他の用語でも解説してきたように、言葉の前後にへりくだる表現を合わせると、より丁寧な印象となります。
「何卒、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。」
「ご指導ご鞭撻を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。」
「ご指導ご鞭撻くださいますよう、衷心よりお願い申し上げます。」
これらの表現で、最上級の敬意を表すことができます。
注意するのは、「全部のせ」してしまうこと。
敬語が重なりすぎてしまいます。
今後とも何卒、どうかご指導ご鞭撻のほど賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
ご指導ご鞭撻のほどの類語・別の言い方は?
「指導」「鞭撻」の類語を使っていくことになるので、「指南」「教示」「お教え」「お導き」などが適しているでしょう。
【例文】
〇〇について、ぜひ今後もご教示ください。
ご指南のほど、よろしくお願い申し上げます。
不躾な私を、今後もお導きください。
まとめ
- 「ご指導ご鞭撻のほど」は、大きな節目となる出来事の際、今後の関係充実を願う気持ちを表す言葉
- ビジネスシーンでは、長期間での関係を願う気持ちを表現できる
- 電話では、ご教示やご指南などに言い換えて締めの言葉としても丁寧
ここまで読んできたように、「ご指導ご鞭撻のほど」には、「今後も何かとお世話になるかと思います。さらに多角的な関係を築きましょう」という願いも込められていることが分かってきましたね。
また、文書・メール、対面には適しているが、電話では失礼と捉えられかねない表現でもあります。
こういった、伝える方法によって言い換えるパターンが他にないか、さらに確認を進めていきましょう!