日本語の違い

上る・登る・昇るの違い|階段・山をのぼるの漢字はどれが正しい?

上る・登る・昇る

「のぼる」と聞くと、どの漢字を真っ先に思い浮かべますか?「上る」、「登る」、あるいは「昇る」という人もいるでしょう。

「上る」「登る」「昇る」はどれも小学校で習う文字・読み方ですが、使い分けを上手に説明できる人は少ないと思います。

そこでこの記事では、上る・登る・昇るの違い・意味と使い分けをまとめてみました。

上るの意味・使い方

「上る」は、非常にたくさんの意味があります。

例文とともに見ていきましょう。

「下から上へ向かうこと」

字のままの意味ですが、これが「登る」「昇る」とよく混同されます。

  • 階段を上る。

「地方から都市部へ行くこと」

いわゆる“お上りさん”ですね。

上京・上洛という言葉を知っていれば、迷わないかもしれません。

  • 上り列車は、いつも混んでいる。

「身分の高い人がいるところへ行くこと」

これは、現代ではあまり使うことがないかもしれません。

  • 宮中に上がる。

「興奮する・のぼせること」

簡単にいうと、逆上することです。

  • 頭に血が上る。

「無視できないほどの数値になること」

こちらの「上る」は、日常生活でもよく耳にします。

  • 当選者数が1万人に上る。

「話題や議論が取り上げられること」

人々が話題として口にする場合にも使われますね。

  • 毎日のように、コロナのことが話題に上る。

「食べ物が提供されること」

ピンと来ないかもしれませんが、意外によく使われています。

  • 我が家では、毎日のように漬け物が食卓に上がる。

登るの意味・使い方

「登る」は、「意図的に高いところへ上がること」です。

ぼんやりと何となく高いところへ行くのではなく、がんばってより高いところを目指す際に使います。

また、「他より一段高い場所へ進む」という意味で使われることもあります。

  • 私の祖父は、70歳のときに富士山へ登った。
  • マウンドに登る。

昇るの意味・使い方

「昇る」は、「空中の高いところへ移動すること」です。

その他、出世するという意味や機械などを使って勢いよく上の方へ移動するという意味でも使われます。

  • オリオン座が冬の夜空に昇る。
  • 彼はかつてアルバイトだったが、社長まで昇りつめた。
  • エレベーターで上階に昇る。

上る・登る・昇るの違いは?

ここでは、意味の似ているものだけを比較します。

  • 「上る」は、単に下から上へ移動することをいいます。
  • 「登る」は、がんばってより高いところを目指す際に使います。
  • 「昇る」は、空の高いところへ移動することをいいます。

では、タイトルにある“階段をのぼる”“山をのぼる”を考えてみましょう。

まず、“山をのぼる”は、迷うまでもなく“登る”です。

問題は“階段をのぼる”の方です。

健康な人が特に重い荷物も持たず、すたすた上がってく場合は「上る」で良いでしょう。

しかし、妊娠中の方や高齢の方、重い荷物を持っている場合などは、「上る」より「登る」を選ぶべきです。

つまり、“階段をのぼる”については、状況によって使い分けが必要ということになります。

まとめ

まとめ
  • 上るは、下から上へ移動すること。
  • 登るは、がんばってより高いところを目指すこと。
  • 昇るは、空の高いところへ移動すること。

苦労をともなう場合は「登る」、単なる移動は「上る」、空高くまで達する場合は「昇る」と覚えておきましょう。

もっとも、多くの場合「上る」あるいは「のぼる」を使えば問題ないとされています。

微妙なニュアンスを伝えたいときは、こだわって使い分けるといいかもしれませんね。

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