人と「あう」というと、小学校で習う「会う」を思い浮かべる方が多いと思います。
この「あう」を「逢う」あるいは「遭う」に変えると、まったく違うニュアンスになることをご存じでしょうか。
この記事では、使い分けができるとちょっとかっこいい会う・逢う・遭うの違いについて調べました。
会うの意味・使い方
「会う」は、「2人以上の人が、顔を合わせること。特定の場所で対面すること。」です。
「面会」「会合」という言葉を考えると、わかりやすいと思います。
なお、会う相手は必ず人で、物や事柄に対して使うことはありません。
また、会う場面は、偶然でも意図的でも構いません。
- スーパーで、同級生とばったり会った。
- 午後から、人と会う約束をしている。
逢うの意味・使い方
「逢う」は、「親しい人・好ましい人とめぐりあうこと。対面すること。」です。
「逢瀬」「逢引き」という言葉を思い浮かべると、なるほど!と思いますね。
ちなみに、「逢う」を使うのは1対1で人と対面する場合です。
こちらは常用漢字ではないので、新聞などでは「会う」と表記されます。
- 彼と初めて逢った場所は、場末の居酒屋だった。
- 親友が他県に引っ越してしまったので、全然逢えない。
遭うの意味・使い方
「遭う」は、「好ましくない出来事や人に偶然出くわすこと。」です。
こちらは、「遭難」という言葉を思い出せば、よくわかります。
「遭う」は「会う」「逢う」に比べてあまり見かけませんが、実は常用漢字です。
- 女性専用車両に乗ったのに、痴漢に遭った!
- 車が突っ込んできて、事故に遭いそうになった。
会う・逢う・遭うの違いは?
「会う」「逢う」は、人と対面するときに使います。
「会う」は、2人以上が集まるさまざまな場面で使うことができますが、「逢う」は親しい人・好ましい人と1対1で対面する場合など、使うシーンが限られています。
そして、「逢う」は常用漢字ではないので、「会う」と表記されることが多いです。
「遭う」は、人だけではなく出来事に対しても使うことができます。
ただし、好ましくない・悪い事柄や人に対してのみ使います。
こちらは常用漢字です。
まとめ
- 会うは、2人以上の人が対面すること。
- 逢うは、親しい人・好ましい人と1対1で対面すること。
- 遭うは、好ましくないこと・悪い事柄や人と偶然出くわすこと。
いずれの「あう」も、現実に人(「遭う」の場合は事柄も)と対面する際に使われるイメージですが、今後はオンラインで対面することも「会う」「逢う」「遭う」というようになるかもしれませんね。