普段使うことが多い「受ける」という言葉。
しかし、スマホなどで漢字変換をすると「請ける」という言葉が出てくることもありますよね。
何が違うのだろうと思いつつ、深く考えずに「受ける」を使ってしまうと損をしてしまう可能性があるのをご存知でしょうか。
この記事では、使い分けられるとちょっと得するかもしれない「受ける」と「請ける」の違いについてまとめました。
受けるの意味・使い方
受けるは、「働きかけに応じる」という意味です。
「うけとる・うけとめる・こうむる・もらう」などいろいろな言葉に置き換えることもできます。
例えば、以下のような感じです。
- うけとる→子どもが同級生から挑戦状を受けた。
- うけとめる→キャッチャーがボールを受けた。
- こうむる→先日の台風で大きな被害を受けた。
- もらう→お礼の品を受けた。
そのほか、「試験を受ける」「ご祈祷を受ける」「受けのいい話」など、幅広い使われ方をされるのが「受ける」です。
請けるの意味・使い方
請けるは「注文などに対応する」という意味です。
請負業者や下請会社といった言葉を思い浮かべると、わかりやすいかもしれません。
「請ける」は、仕事などの注文を引きうける時に使うので、対価が発生する際に使われます。
- 納期が厳しいので、この仕事は請けなかった。
- 手作業なので、大量の注文は請けられない。
- いつもの得意先から依頼を請けた。
受ける・請けるの違い
「受ける」は幅広い意味で使われますが、「請ける」は仕事を引きうけるなど限定的な場面でのみ使用されます。
そして、「受ける」と「請ける」のもっとも大きな違いは、対価が発生するかどうかという点です。
「受ける」は対価が発生しない場面で使われますが、「請ける」は対価が発生する場面で使われます。
読み方はどちらも「うける」なので、日常会話で大きなトラブルに発展することはほとんどないと思われますが、メールや書類上に文字として残してしまうと揉める原因になる可能性があるので気をつけましょう。
では、授業・仕事を「うける」はどちらの漢字を使うべきなのでしょうか。
「授業をうける」の場合は、生徒側に対価が発生しないので「受ける」を使うのが正しいということになります。
一方で、「仕事をうける」場合は対価が発生するので、「請ける」を使うのが正しいということになります。
まとめ
- 「受ける」は働きかけに応じること。対価が発生しない多くの場面で使われる。
- 「請ける」は注文や依頼に応じること。対価が発生する限定的な場面で使われる。
対価が発生する場合は、意識して「請ける」を使うようにしましょう。