地震や豪雨など自然災害への対策、日頃からしていますか?
「そなえあれば憂いなし」と言うので、いざという時の準備はあらかじめしっかりしておきたいものです。
ところで「そなえ(る)」という言葉、この場合「備える」と「供える」どちらの漢字を使うのが正しいのでしょう?
この記事では、普段あまり使わないのでちょっと迷ってしまう「備える」と「供える」について、違いや意味・使い方を調べてみました。
備えるの意味・使い方
備えるは「あらかじめ準備しておくこと。必要なものを十分に整えておくこと。」です。
「備」が「準備」という熟語の中に使われることに気がつくと、意味をとらえやすくなりますね。
- 年をとってから子供が生まれたので、老後の備えがなかなかできない。
- 海抜の低いエリアでは、地震だけでなく津波にもしっかりと備えなければならない。
供えるの意味・使い方
供えるは「神仏や身分の高い人に供物を捧げること」です。
「供物(くもつ)」という言葉の中に「供」が使われているので、こちらも容易に使い分けができますね。
ちなみに供物は、食べ物でも花などの物品でも良いそうです。
- 神棚に御神酒を供えた。
- 御霊前に供える花は、故人の大好きだった水仙にしてください。
備える・供えるの違いは?
- 備えるは「あらかじめ準備する」こと
- 供えるは「供物などを捧げること」
つまり「災害にそなえる」という場合には、「備える」を使うのが正しいということになります。
ちなみに、「備えあれば憂いなし」という言葉は、現在存在が確認されている中国最古の王朝「殷」の時代に生まれた言葉で、国の治め方に関する話の最後で宰相が王に進言したものだそうです。
原文は「有備無患」となっているため、正しくは「憂い」ではなく「患い(うれい)」のようですが、「憂い」と「患い」は同じ意味なので現代ではどちらを使っても良いようです。
2000年以上前に生まれた言葉ですが、現在の日本では防災や事故防止、各種保険や保障サービスなどのキャッチコピーとして定着しています。
まとめ
- 備えるは、あらかじめ準備をしておくこと。必要なものを十分に整えておくこと。
- 供えるは、神仏や位の高い人に供物を捧げること。
防災グッズは「供える」ものではなく、「備える」ものです。
いざという時にきちんと使えるように、非常食の消費期限や電池のチェック、ライフステージに配慮した物品の入れ替えなどを定期的に行うようにしましょう。