「治る」と「直る」。
どちらも読み方が同じで、使う場面がよく似ているので混乱してしまう、という人も多いと思います。
しかし、「何が」なおるのかに気をつければ、結構簡単に使い分けが出来てしまうのです。
この記事では、わかってしまえば簡単な「治る」と「直る」の違い・意味と使い分けについて解説します。
治るの意味・使い方
治るは、「病気や怪我が回復すること」「もとの健康な状態に戻ること」です。
「治」という文字を含む「治癒」や「治療」という言葉を思い浮かべると、わかりやすいでしょう。
また、でこぼこになっている歯の並びをきれいにする際など、身体の状態をより良くする場合にも使われます。
そして、病気やけがをするのは人間など生き物だけなので、無生物に対して「治る」を使うことは基本的にありません。
- 50歳代でぎっくり腰になると、治るまでに5日かかるらしい。
- 歯並びは、歳をとってからでも治るものです。
直るの意味・使い方
直るには、「良い状態になること」「別の状態になること」「間違いが正しく訂正されること」といった意味があります。
もっと端的に言うと、病気やけが以外であれば何にでも「なおる」を使うことができます。
対象物も人や生き物に限られません。
- 昔のテレビは、調子が悪くなってもたたけば直ったものだ。
- あの子は、どんなに泣いていてもチョコレートをあげるとすぐに機嫌が直る。
治る・直るの違い
「治る」は、人を含む生き物の病気やけがが治癒することです。
無生物に「治る」を使うことはありません。
「直る」は、良い意味で別の状態に変わること・間違いが正しく訂正されることで、人にも無生物にも使うことができます。
これらのことから、「機械がなおる」は「直る」を使うのが正しいです。
「性格がなおる」は迷うところですが、性格は病気でもけがでもないので、「直る」を使うのが妥当でしょう。
もちろん、心の病などで性格が変わってしまう場合もありますが、治癒すべきは病気であって性格ではありません。
したがって、やはり「直る」が正しいといえます。
まとめ
- 治るは、病気やけがが治癒すること。無生物には使わない。
- 直るは、状態が良くなること・別の状態に変わること・誤りが正しく訂正されること。病気やけが以外なら、何にでも使える。
遠い未来には、ペットのかわりをロボットがするようになるかもしれません。
そうなったら、「治る」を無生物にも使うようになるかもしれませんね。