日本語には同音異義語が多く、使い分けが難しい言葉もあります。
特に日常的によく使う「かえる」は、「変える」「替える」「換える」「代える」などがあり、どれを使うべきか迷った経験を持つ方も多いと思います。
そこでこの記事では、簡単そうで意外と難しい変える・替える・換える・代えるの違い・意味と使い分けを解説します。
変えるの意味・使い方
「変える」は、「前と違う状態にする・ものの位置や場所を別に移す」ことです。
「変化」や「変更」という意味ですね。
ただし、一つ目の意味で変わるのは状態のみで、主体は変わりません。
オタマジャクシがカエルになるのをイメージすると良いでしょう。
- 髪の毛をバッサリ切って、印象を変えた。
- いまさらオリンピックの日取りを変えるなんて、無理だ!
替えるの意味・使い方
「替える」は、「今までとは別のものにすること」です。
状態を変化させるのではなく、まったく別のものに「入れ替える」という意味になります。
- 将来のために、家を建て替えることにした。
- 家族が増えたので、容量の大きな洗濯機に替えた。
換えるの意味・使い方
「換える」は、「あるものと引き換えに同等のものを手に入れる」ことです。
要するに「交換」ですね。
「換える」は、手放すものと入手するものの価値が同等の場合に使われることが多いです。
- 僕のプリンと君のシュークリームを換えてほしい。
- リサイクルショップで、いらなくなったテレビをお金に換えてきた。
代えるの意味・使い方
「代える」は、「役割を他のものにさせる」ことです。
「代理人」「代行」といった言葉を思い浮かべれば、わかりやすいですね。
- 出産直後の妻の代わりに、保育園へ子どもを迎えに行く。
- 確実に得点するために、走者を代えることにした。
変える・替える・換える・代えるの違いは?
「変える」は、前と違う状態にすること(変化すること)です。
「替える」は、今までとは別のものにすること(入れ替えること)です。
「換える」は、あるものを手放して同等のものを手に入れること(交換すること)です。
「代える」は、役割を他のものにさせること(代行させること)です。
そして「人をかえる」という場合、通常は「代行」あるいは「代役」の意味なので、「代える」を使うことになります。
一方、「携帯をかえる」という場合、「替える」と「換える」で迷うかもしれませんが、古い携帯と新しい携帯を物々交換するわけではありません。
今までとは違う新しいものを手に入れるわけですから、「替える」を使うべきでしょう。
まとめ
- 変えるは、前と違う状態に変化すること。
- 替えるは、今までとは別のものに入れ替えること。
- 換えるは、今あるものを同等のものと交換すること。
- 代えるは、役割を他のものに代行させること。
熟語に置き換えるとわかりやすいですが、「携帯をかえる」の例のように迷う場合も少なくありません。
漢字に置き換える場合は、意味までしっかり考えるようにしましょう。