「大切」と「大事」と「重要」。
どれも同じような意味で、無意識のうちに使い分けている言葉ですが、日本語が母国語ではない人に「違いは何?」と聞かれると、上手に説明できない物です。
そこでこの記事では、大切・大事・重要の違い・意味と使い分けについて調べました。
大切の意味・使い方
「大切」は、「心から必要としており、慎重に注意深く扱っている様」をいいます。
どちらかというと心情的で、自分にとって必要な、なくてはならない物・事・人に対して使うことが多いです。
- 初恋の人からもらった、大切な手紙。
- 娘が初めて描いてくれた「お母さんの絵」は、私の大切な宝物だ。
大事の意味・使い方
「大事」は、「自分にとって必要で、注意深く丁寧に取り扱っている様」をいいます。
また、「重大な事態」という意味もあります。
一つ目の意味は「大切」とほぼ同じで、互換性がある場合がほとんどです。
しかし、「大事」は「大切」ほどメンタル面を重視しておらず、客観的に必要かどうかに重点があるようです。
- 市役所から来た大事な手紙。
- 図書館から借りた本は、大事にあつかわなければならない。
重要の意味・使い方
「重要」は、「客観的に、または社会通念上重大な事柄」です。
「重要」は、「大切」や「大事」とは異なり、「重要+〇〇(名詞)」という使い方ができます。
- 子どもにとって、外遊びは重要だ。
- 彼は、この事件の重要参考人だ。
大切・大事・重要の違いは?
「大切」は、心の支えとなるような物・事・人に対して使います。
なくしたり破損したりすると、精神的に大きなダメージを受ける物に使うことが多いです。
「大事」は、「大切」とほぼ同じ意味で使われますが、「大切」ほど精神的依存は強くないです。
なくしたり破損したりすると、大変なこと・取り返しのつかないことになる物に使うことが多いです。
「大切」と「大事」の違いは、各例文の一つ目を比べるとわかりやすいです。
「大切な手紙」は、他の人にとって何の価値もないかもしれませんが、本人にとってはかけがえのない物ですし、失ったら精神的に大きなダメージを受けます。
一方、「大事な手紙」はだれが見ても重要で、なくしたら大変なことになるかもしれません。
「重要」は、「大切」や「大事」よりもより客観的で、社会的に損失が許されない物に対して使うことが多いです。
個人的にはどうでもいいことであっても、その物事の「重要」さはゆるぎません。
まとめ
- 大切は、失うと精神的ダメージが大きいもの。
- 大事は、失うと取り返しのつかないことになるもの。
- 重要は、社会的に重大なこと。
「大切」と「大事」は入れ替えても意味が通じることが多いですが、微妙にニュアンスが変わってくることがあるので注意しましょう。