子どもや部下がミスをしたとき、みなさんは怒っていますか?叱っていますか?
怒らず叱らず、諭したり注意したりする人もいるかもしれません。
でも、怒る・叱る・諭す・注意するって何が違うのでしょうか。
相手のことを思ってする行動はどれなのでしょうか。
この記事では、意識して使い分けると自分のためにも相手のためにもなる怒る・叱る・諭す・注意するの違いについて調べました。
怒るの意味・使い方
「怒る」は、「感情のままに不満を爆発させること」です。
子ども同士のケンカを思い浮かべればいいかもしれませんね。
あまり理性的ではなく、自己主張を相手にぶつける感じです。
怒る相手は人とは限らず、世間など抽象的なものに対しても使えます。
- 怒って怒鳴り散らしても、相手の心には何も響かないよ。
- 普段温厚な祖母が、町内会の理不尽な取り決めにものすごく怒っていた。
叱るの意味・使い方
「叱る」は、「相手の非を正すために、あえて強い口調で伝えること」です。
語調がきついのは「怒る」と同じですが、理性をもって相手のために厳しく指導することをいいます。
この場合、相手は目下の人に限られます。
- 下校途中に黙って友だちの家へ遊びに行ったら、母に叱られた。
- 先生に「成績が全然伸びない」と愚痴ったら、きちんと復習をしなさいと叱られた。
諭すの意味・使い方
「諭す」は、「目下の人に対してものの道理を教え、理解させること」です。
「怒る」や「叱る」に比べて語調は穏やかな感じですね。
ちなみに、「諭す」には「神仏がお告げや忠告を人へ知らせること」という意味もあります。
そのため、目上の人には使えません。
目上の人には「諫める(いさめる)」を使うべきでしょう。
- 幼い子どもを怒ってはいけない。叱ってもいけない。悪いことをしたら諭すべきだ。
- 恩師に諭され、彼は自首した。
注意するの意味・使い方
「注意する」はいろいろな意味がありますが、「怒る」「叱る」「諭す」と同じような意味で使うときは、「気を付けるように言い聞かせること」という意味になります。
「怒る」のように感情的ではなく、「叱る」のようにきつい口調でもなく、「諭す」ほどかしこまった感じはありません。
「怒る」「叱る」「諭す」の中間点にあるのが「注意する」なのかもしれませんね。
- 子どもが川に入って遊んでいたので、注意した。
- 何度注意しても、彼は何かしら忘れ物をする。
怒る・叱る・諭す・注意するの違いは?
「怒る」は、相手に不満の感情をぶつけることです。
「叱る」は、相手の非を正すためにきつい口調で伝えることです。
「諭す」は、ものの道理を教え、理解させることです。
「注意する」は、気を付けるように言い聞かせることです。
そして「怒る」の原動力は、自分自身の感情です。
相手のことはあまり考えていないので、自分のための行動といえるかもしれません。
「叱る」「諭す」「注意する」は、相手のことを思いやって正しく導くための行動です。
こちらは相手のための行動といえます。
ただ、「怒る」と「叱る」はどちらも語調がきついため、相手を不愉快にさせる可能性があります。
「注意する」は、言い方によっては軽く受け取られがちです。
相手のことを本当に思うならば、やはり「諭す」のがよいでしょう。
まとめ
- 怒るは、感情のままに不満を相手にぶつけること。
- 叱るは、相手の非を正すために、あえて強い口調でいうこと。
- 諭すは、ものの道理を教えて理解させること。
- 注意するは、気を付けるように言い聞かせること。
感情をうまくコントロールして、「怒る」ことの少ない人間になりたいものですね。