何らかの勝負をすることや、何かに打ち勝つように努力することを「たたかう」と表現することがあります。
「たたかう」を漢字変換すると「戦う」「闘う」の2つが出てきますが、違いをきちんと理解して使い分けるのは、なかなか難しいものです。
そこでこの記事では、意外にわかりやすい「戦う」と「闘う」の意味の違いと使い分けについて解説します。
戦うの意味・使い方
「戦う」は、「武力などを用いて争うこと」「知力や技量を競い、優劣をつけること」です。
前者の例としては、戦争があります。
後者は、オリンピックなどの競技大会が代表的なものといえるでしょう。
「戦う」は、争ったり競ったりすることなので、必ず対立する相手が必要です。
また、多くの場合、勝ち負けや優劣を決めるものなので、引き分けはあるかもしれませんがwin-winは考えられません。
- 核兵器や化学兵器を戦いで使ったら、人類が絶滅してしまうかもしれない。
- 決勝戦は、シード校同士の戦いになった。
闘うの意味・使い方
「闘う」は、「思想・利害が対立する者同士が争うこと」「困難や障害に打ち勝つように努めること」です。
前者は「戦う」と意味が似ていますが、武力などの有形力を用いて争うわけではありません。
また後者は、困難や障害など目に見えないものが相手なので、この点も「戦う」とは大きく異なります。
そして「闘う」は、必ずしも優劣をつけることを目的としないため、場合によってはwin-winもありえます。
労使交渉などの「闘い」を考えると、イメージが湧きますね。
- 時代錯誤な校則を廃止するために、生徒会が一丸となって闘います。
- 人類と病魔との闘いは、果てしなく続くことだろう。
戦う・闘うの違いは?
「戦う」は、武力などを用いて争うこと・優劣を競うことです。
そして、「闘う」は自分の思想や利益を相手に認めさせるように働きかけること・困難や障害などを克服する努力をすることです。
ここで、タイトルにある「睡魔とたたかう」について考えてみると、睡魔とのたたかいは武力を用いるわけでもないですし、優劣を競うことでもありません。
睡魔を困難や障害の一つとしてとらえるならば、「睡魔とたたかう」→「睡魔と闘う」とするのが正しいことがわかります。
まとめ
- 戦うは、武力などを使って争うこと。他者との優劣を競うこと。
- 闘うは、思想・利益が対立する者同士が争うこと。困難や障害に立ち向かうこと。
大雑把なイメージですが、目に見えるものとたたかうときは「戦う」、目に見えないものとたたかうときは「闘う」を使うと、しっくりいくことが多いですよ。