日頃意識せずに使い分けている「ある」と「いる」。
しかし、日本語が不自由な人に違いを聞かれると、なかなかうまく答えられないものです。
そこでこの記事では、漢字から考えるとわかりやすい「ある」と「いる」の違いと使い分けについて解説します。
「ある」の意味・使い方
「ある」には、「有る」と「在る」の2種類があります。
「有る」は、所有や物の有無を意味する言葉なので、基本的に人や生き物には使いません。
- 100円玉なら有るよ。
- 終電がまだ有ってよかった!
「在る」は、「位置する・存在する」という意味です。
「有る」と読み方は同じですが、意味が微妙に違います。
多くの外国人が混乱するのは、「ある」に当てはまる漢字が2種類もあり、しかも意味の違いが微妙であることが原因の一つと考えられます。
- 昔、ここには大きな柿の木が在った。
- 妻子在る男性に誘われても、まったくうれしくない。
「いる」の意味・使い方
「いる」には「居る」という漢字が当てはまりますが、人間などの生き物だけではなく、動いているもの全般に使われます。
例えば、「追い越し車線に車がある」という場合、多くの人は停車している車を思い浮かべます。
一方、「追い越し車線に車がいる」という場合、動いている車を想像する人がほとんどです。
このように、「いる=居る」は、生物に限らず、動いているものの存在を表す際に広く使われます。
- この家には、座敷童が居る。
- 隣の車線にクレーン車が居ると、倒れてくるのではないかとすごく緊張する。
「ある」と「いる」の違いは?
「ある」には、所有や物の有無を表す「有る」と、存在することや位置することを意味する「在る」があります。
「有る」は、人や生き物に使うことは基本的にありませんが、「在る」は人などに使うこともあります。
「いる」には「居る」という漢字が当てはまりますが、人や生き物だけではなく、動いているもの全般に使われます。
そして、家族が「いる」と「ある」、どちらが正しいかという問題は、どちらも正しいというのが正解です。
家族が「居る」でも「在る」でも、家族が存在することを示唆できます。
ただ、「在る」のほうがより概念的なため、堅苦しいイメージになります。
まとめ
- あるは、所有や物の有無を表す「有る」と、存在すること・位置することを意味する「在る」の2種類がある。
- いるは「居る」だが、動いているものの存在をあらわすときに使われる。
「いる」と「ある」のような使い分けは、日本語独自のものとされています。
日本は歴史的に他国との交流がほとんどない時期があったので、そのあたりで言葉が独自に変化したのかもしれませんね。