「しめる」という読み方をする漢字はいくつかありますが、使い分けで特に困るのは「締める」と「閉める」ではないでしょうか。
この記事では、非常にややこしく使い分けも結構難しい「締める」と「閉める」の違いについて調べました。
締めるの意味・使い方
締めるには、「ゆるみをなくすこと・たるみがないようにきつくすること」という意味があります。
締める対象は物に限られず、気持ちや心に対しても「締める」が使われることがあります。
- 古新聞を紐できつく締めた。
- 気を引き締めて、二次試験に臨んだ。
閉めるの意味・使い方
閉めるは、「とじる・ふさぐ・終わりにする」という意味で使われます。
「とじる・ふさぐ」という意味で使うときは、原則として物理的に触ることができるものが対象物となりますが、「終わりにする」という場合には、営業や伝統など抽象的なものが対象となることが多いです。
- カーテンを閉めたほうが、暖房がよく効く。
- 台風の影響でお客さんがまったく来ないので、今日はもう店を閉めることにした。
締める・閉めるの違い
「締める」は、ゆるみ・たるみがないようにきつくすることです。
「閉める」は、とじたり終わりにすることです。
そして鍵は、しめることでゆるみやたるみをなくすわけではありません。
閉じて外部からの侵入などを防ぐものです。
そのため「閉める」を使うのが良いでしょう。
また蛇口は、ゆるみ・たるみをきつくして水を止めるのではなく、閉じて水を止めるものです。
したがって「閉める」のほうが適切と考えられます。
なお、鍵については「戸締まり」という言葉があるため「締めるのほうが正しいのでは?」という意見もあります。
蛇口についても、「ゆるめて水を出すのだから、その逆の締めるで良い」という考え方もできます。
しかし、「締める」と「閉める」の意味を改めて考え直すと、やはりどちらも「閉める」のほうが正しいといえます。
まとめ
- 締めるは、たるみやゆるみがないようにきつくすること。
- 閉めるは、とじること。終わりにすること。
本来の意味を知っていれば間違えることは少なくなると思いますが、使い分けが簡単でない場合もあります。
発音が同じなので、困ったら平仮名表記でごまかしましょう。
なお、鍵については「かける」という言い方もあるようです。
「鍵をかける」がまったく通じない地方もありますが、イチかバチかで使ってみるのも一つの方法かもしれませんね。